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大会長・理事長挨拶
第35回 日本舌側矯正歯科学会学術大会・総会
大会長 古谷 直樹
皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
この度、第35回日本舌側矯正歯科学会学術大会の大会長を拝命致しました。このような機会を与えて頂きまして大変光栄に存じますとともに、吉田理事長をはじめ本学会役員並びに本学会会員の皆様に心より感謝申し上げます。
昨年は、第34回大会を青木泰樹大会長のもと名古屋にて3年ぶりのリアル開催となり、用意周到な準備委員会の働きで大変活気ある大会となりました。本年は、第35回大会を京都・烏丸コンベンションホールにて2023年11月23日(木・祝)に開催いたします。
さて、皆様もすでにご存知かもしれませんが、一昨年から昨年にかけてリンガルブラケットの消費量や舌側矯正の技工数がともに約30%減という実態が明らかになりました。日本での舌側矯正数は、これまで右肩上がりの上昇傾向を辿って来ましたから、まさにこれは舌側矯正治療の需要側(患者)、供給側(矯正医)の両方が減少傾向にあると推測できます。コロナ禍によるマスクの装着と内向きな生活が続いたことで世の中の情勢が変化し、世間の歯並びを良くする意識は確実に高まったと言えます。それによって唇側矯正やマウスピース矯正の需要が増加した一方で、裏側からのニーズが低下したことが需要の減少と考えられます。また、先程のマウスピース矯正の出現により歯科医がワイヤー矯正を避けるようになり、さらに舌側矯正の特異性が治療離れに拍車がかかり供給側も減少傾向にあると推測できます。
今大会のテーマは、「診断力を高める。-Top down treatment-」です。今、私たちは未曾有の危機的状況にあると認識を改め、舌側矯正を学ぶ者として何をすべきなのかを考えなければなりません。そこで、矯正治療の原点に立ち返るべく、技術や装置、方法論の前に『診断力』にフォーカスを当てたテーマと致しました。その「診断力を高める。」ために歯科界を牽引する先生方を招聘して包括的治療や歯科全体のなかの矯正治療の位置付けについてお話を伺います。またシンポジウムでは、「歯のポジションの重要性について」と題して深く議論していただき、今後の治療の質をさらに高めたいと考えます。
そして、教育講演、招待講演、コデンタル講演では国内外の著名な先生方に舌側矯正だけではなく様々な観点からご講演を賜ります。さらに当学会では、患者が見えない装置を希望するから舌側矯正を行うのではなく、診断と治療方針に基づき、唇側矯正と比較した舌側矯正治療の優位性を理解した上で治療を行うことが重要であると考えます。依頼講演では、その舌側の特性を活かして診断をした矯正ケースや包括的治療ケースを発表していただきますので、一般歯科医や若い先生方に是非聴いて頂きたいところです。
最後に技工部門におきまして「舌側矯正のセットアップの現在、そして未来へ」と題してシンポジウムを開催いたします。当学会の技工士特別委員会の先生方を中心にその作製方法やセットアップの考え方、そしてデジタルセットアップ等のご発表の後に皆様でディスカッションをして頂きます。これほどバラエティに富んだ内容の歯科学会はそうそうありません。会員の方のみならず大学関係者、一般歯科の先生方、コデンタルの皆様、そして志の高い若い先生や技工士の方々にもご参加を頂き、研鑽の場として多数の方にお逢いできることを楽しみにしております。
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第35回 日本舌側矯正歯科学会学術大会・総会
理事長 吉田 哲也
学会へ参加される皆様へ
コロナウイルスによる混乱も落ち着きを取り戻し、昨年の11月には本学会も名古屋にてリアルな学会、総会が行われました。やはりリアル開催は良いなと改めて考えさせられました。皆様のご協力のもと、盛況に開催できたことに厚く御礼申し上げます。
今年は日本の古都である京都において第35回の学会、総会を開催する運びとなりました。大会長の古谷直樹先生、事務局長の速水勇人先生を中心に準備委員の先生方が一丸となって準備を進めています。今回のテーマは『診断力を高める』です。矯正治療において診断は非常に重要であることは言うまでもありません。特に舌側矯正治療においてセットアップについての考え方や新たなアンカレッジシステムなど、以前と異なる診断体系も構築されてきました。今一度、診断の重要性について考えていきたいと考えています。今回は技工セッションを行い、セットアップなどにおける考え方を深めていきたいと思います。
素晴らしい紅葉の季節、日本の伝統のある京都で皆様にお会いできることを楽しみにしております。
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